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私たちについて
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ご挨拶
東大精神科のホームページをごらんいただき、ありがとうございます。みなさまやみなさまの大切にしておられる方は、さまざまなつらい思いをされてこられたことと思います。みなさまの大切なお話をお聞かせいただき、少しでもお力になれればと思っております。
東大精神科の目指す診療姿勢を述べさせていただきます。これまでの精神科医療は、医学的症状の改善を目標としてきました。それが非常に重要であることに変わりはありませんが、わたしたちは、患者さんの症状や行動変化の背景にあるその方の価値観やこころの傷つきに気づき、お一人お一人が希望する生活や人生を送れるように、精神科医療人としてどのようにお役に立てるかという視点を忘れないようにしたいと考えております。そのためには、診療の過程で生じるさまざまな決定を患者さんやご家族と専門職が共同で行っていく姿勢を大切にしたいと思っております。その一環として、おそらく大学精神科としてはじめてだと思いますが、ピアサポートワーカーが診療チームに加わっています。
こうした当事者・患者中心の医療や共同創造(コ・プロダクション)の重要性は国際的に叫ばれており、理念としては当然と思われるのですが、それを具体的に実践に移すことや、診療組織・スタッフの文化を変えていくことは、本当に難しいことです。当科に学びに来ている精神科医師、多職種のスタッフ・学生のみならず、全国の支援人材の教育にも力を注いでいきたいと思っております。
《参考図書》
一般の方、スタッフ向け:
夏苅・笠井監修:生きづらさをひも解く:私たちの精神疾患.コンボ、2023
笠井ら編:こころの支援と社会モデル.金剛出版、2023
笠井ら編:女性のこころの臨床を学ぶ・語る.金剛出版、2022
スタッフ向け:
笠井ら編:こころを使うということ.岩崎学術出版社、2020
笠井ら編:精神療法トレーニングガイド.日本評論社、2020
笠井ら編:人生行動科学としての思春期学.東京大学出版会、2020
2024年4月1日
診療科長 笠井清登
東大精神科の目指す診療姿勢を述べさせていただきます。これまでの精神科医療は、医学的症状の改善を目標としてきました。それが非常に重要であることに変わりはありませんが、わたしたちは、患者さんの症状や行動変化の背景にあるその方の価値観やこころの傷つきに気づき、お一人お一人が希望する生活や人生を送れるように、精神科医療人としてどのようにお役に立てるかという視点を忘れないようにしたいと考えております。そのためには、診療の過程で生じるさまざまな決定を患者さんやご家族と専門職が共同で行っていく姿勢を大切にしたいと思っております。その一環として、おそらく大学精神科としてはじめてだと思いますが、ピアサポートワーカーが診療チームに加わっています。
こうした当事者・患者中心の医療や共同創造(コ・プロダクション)の重要性は国際的に叫ばれており、理念としては当然と思われるのですが、それを具体的に実践に移すことや、診療組織・スタッフの文化を変えていくことは、本当に難しいことです。当科に学びに来ている精神科医師、多職種のスタッフ・学生のみならず、全国の支援人材の教育にも力を注いでいきたいと思っております。
参考図書:
一般の方、スタッフ向け:
夏苅・笠井監修:生きづらさをひも解く:私たちの精神疾患.コンボ、2023.
笠井ら編:こころの支援と社会モデル.金剛出版、2023.
笠井ら編:女性のこころの臨床を学ぶ・語る.金剛出版、2022.
スタッフ向け:
笠井ら編:こころを使うということ.岩崎学術出版社、2020
笠井ら編:精神療法トレーニングガイド.日本評論社、2020
笠井ら編:人生行動科学としての思春期学.2020
2024年4月1日
診療科長 笠井清登
歴史
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1886年 明治19年
当教室の歴史は榊俶先生がドイツ留学から帰国した明治19年に帝国大学医科大学精神病学教室の初代教授に就任してから始まりました。この頃は巣鴨の東京府癲狂院(のちに巣鴨病院に改名、現在の松沢病院)を臨床の場としていたため、同院に精神病学教室も置かれていました。
1901年 明治34年
明治34年には呉秀三先生が教授に就任し、以後巣鴨病院では、手錠・足枷などが廃止され、明治36年に日本神経学会(現在の日本精神神経学会)を設立したことなど、呉先生によってわが国の現代精神医学の基礎を築いたことが知られています。
1919年 大正8年
大正8年に巣鴨病院が松沢村(現在の東京都世田谷区)に移転し、松沢病院と改名。これに伴い精神病学教室も大学構内に移転しました。
1934年 昭和9年
精神科病棟が、現在の南研究棟へ移転しました。また昭和11年には三宅鑛一教授の尽力により東大医学部付属脳研究室が寄付によって創設され、今日の国内の脳研究施設の先鞭となりました。
1956年 昭和31年
昭和31年、文京区目白台の東大分院に笠松章先生を初代医長・助教授として神経科が開設されました。以後分院は平成13年の本院との統合まで50年近くにわたり、精神病理・精神療法的臨床に優れた人材を輩出してきました。
1958年 昭和33年
教室名を「精神医学教室」に改称。
1967年 昭和42年
精神科外来が中央診療棟に移転しました。翌年、精神科医局解散が決議され、以後いわゆる病棟自主管理「闘争」がはじまりました。これが当時の大学紛争の流れの中心となって安田講堂占拠事件につながったことはよく知られています。その後長きにわたって病棟と外来が対立するという事態が続きました。
1974年 昭和49年
生活臨床の考えを取り入れ、主に統合失調症を持つ若年世代の患者さんの地域生活支援とリカバリーを促進するための精神科デイケアである、精神科デイホスピタルが開設され、宮内勝先生が中心となり、実行委員会方式が導入されました。
1994年 平成6年
多くの諸先生方の努力によって、松下正明教授のもと、外来・病棟の診療が統合されました。
1997年 平成9年
大学院講座制への移行に伴い、講座の名称が「脳神経医学専攻・臨床神経精神医学講座・精神医学分野」となりました。ただし、この名称は外部からは分かりにくいこともあり、「精神医学教室」という名称も引き続き併用しています。
1998年 平成10年
加藤進昌前教授が就任。小児から老年期までの幅広い精神科臨床と、動物実験を主とした基礎的な神経科学研究および脳画像や遺伝子解析を中心とした臨床研究に取り組みました。
2001年 平成13年
目白台にあった東京大学医学部附属病院分院が本郷の本院に統合されました。これにより、長らく分院、病棟派、外来派と分かれていた東京大学医学部精神医学教室が一つに統合されました。
2002年 平成14年
精神神経科の病棟が、南研究棟(赤レンガ棟)から、旧B病棟の2階・3階に移転しました。これにより、ようやく精神神経科が内科などの他の病棟と同じ建物に病棟を持つことになりました。当初は60床でしたが、その後大部屋を個室に改築し、54床となりました。
2004年 平成16年度
スーパーローテーションを行う医師臨床研修制度が導入され、精神科に、他科を目指す臨床研修医が研修に来るようになりました。臨床研修に対応する研修プログラムに基づく臨床教育の三つを柱として、精神医学・医療の発展に貢献してきました。
2008年 平成20年
笠井清登教授が就任し、総合病院精神科としての臨床機能の向上、医学生や多職種の教育の充実、生物学的・心理社会的研究の発展、当事者との共同創造と組織変革の理念にもとづいて、教室運営を進めています。
2016年 平成28年
昭和9年から長らく南研究棟にあった精神神経科の医局が、新築された臨床研究棟Aに移転しました。また同年より、精神神経科リカバリーセンターが精神科ショートケアとして発足し、うつ・不安を主体とした精神疾患を持つ方のリカバリー支援を行っています。
2018年 平成30年
精神科病棟が新築された新B棟に移転しました。精神科神経科の外来リハビリテーション部門は新B棟の10階、病棟は11階に集まり、コンパクトながら高い診療機能を実現しています。また同年の4月に、統合失調症AYA (Adolescent and Young Adult) 世代センターを開設し、統合失調症を持つ若い世代の患者さんの支援に一層力を入れるようになりました。
2023年 令和5年
統合失調症AYA世代センターをAYA世代センターに改称し、統合失調症に限らず、こころの不調を経験している思春期・青年期から若年成人を含めたAYA世代の支援に取り組んでいます。
各部門スタッフ紹介
外来医長
安藤 俊太郎
当科の外来では、幅広い年齢・疾患の方々を対象に、丁寧な診療を心がけています。基本的には医師による診察と薬の調整が中心ですが、必要に応じて、心理検査やソーシャルワーカーによる保健相談も行っています。さらなるリカバリーを目指して、作業療法、リカバリーリセンター、精神科デイケアを通院しながら使えるのも特徴です。当院の診療を経て病状が安定した患者さんには、ご紹介元の先生やご自宅・職場近くの医療機関をご紹介しています。また、当院は教育機関でもあり、医学生や研修生による予診や診察陪席を行っておりますので、ご理解・ご協力をお願いします。
病棟医長
藤川 慎也
大学病院である当科の入院治療では、豊富なスタッフによるチーム医療を行っています。ゆとりのある療養環境で、経験豊かな指導医とやる気に満ちた若手医師からなる担当チームが一丸となり、看護師・心理士・薬剤師・作業療法士・ソーシャルワーカー、ピアサポートワーカーそれぞれの専門職と密に連携して、多角的な視点から質の高い医療を提供していくことを目指します。また、外来での治療の再検討を行う「こころの検査入院」「発達障害検査入院」等も行っています。病状が悪化した時や各種精査が必要な時はもちろん、外来での治療がなかなかうまくいかない時などにも、ぜひ当科における入院治療をご活用いただけますと幸いです。
病棟師長
小武方 希穂子
当科の看護師は患者さんとご家族の思いに寄り添い、その人らしい生活ができることを目標に、心理的・身体的なケアの提供とセルフケアの援助を行なっております。
また、さまざまな専門職から構成されるチームにより、患者さんの症状回復を目指した取り組みを実践
しています。
AYA世代センター長
池亀 天平
当科では入院・外来診療を問わず、すべての患者さんのニーズに寄り添った医療を心掛けています。特にAYA世代と言われる若年層の方々に対しては、ご本人だけでなくサポートにあたるご家族や地域支援者、学校・職場関係者といった方々の不安や困りごとに対しても、できる限り応えられるよう努めております。そのために、医師、看護師、心理士、精神保健福祉士、デイホスピタルスタッフなどで日々情報を共有し多職種チームとして対応にあたっております。患者さん一人ひとりの声に耳を傾け、それぞれに最適なサポートを提供できるよう、今後もスタッフ一同、日々努力を重ねてまいります。
精神保健福祉士
神谷 瑞菜
当科ソーシャルワーカーは、外来や入院患者さんの療養や生活上の様々なご相談をお受けし、問題を解決したり社会復帰や社会参加ができるようご本人やご家族と共に考え、各種福祉制度や地域の社会資源のご紹介を行なっています。
また、医療機関からの入院、転院のご相談をお受けしています。
院内では他職種スタッフと連携し、院外の支援関係機関とも連携しながら医療と地域生活の橋渡しができるよう情報交換を行ない、患者さんが自分らしく豊かなライフスタイルが実現できるよう支援します。
ご心配なこと、お困りのことがございましたらどうぞお気軽にお問い合わせください。
リカバリーセンター長
近藤 伸介
当科リカバリーセンターは、うつ病や不安症の外来患者さんを対象に心身両面の耐久性を高め、回復をさらに一歩推し進めるための精神科リハビリテーション・プログラムです。
具体的には、集団認知行動療法やマインドフルネスなどの心理療法と、農作業やスポーツなどの身体活動を組み合わせて、実際に体験・習得していくことを重視しています。また、メンバー同士が対話を通して交流するダイアログやリカバリーミーティング、毎月の活動を協働で決めていくプログラムミーティングなど、話し合いの場も大切にしています。
ご興味を持たれた方は、ホームページから「お申込みの流れ」をご確認ください。
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2024.06.06 現在