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研究紹介
Our research
研究理念
当科では、 思春期・青年期から若年成人を含めた AYA (Adolescent and Young Adult) 世代のこころの成長と不調からの回復のメカニズムの解明を目指した研究を中心に取り組んでいます。
当科における研究の特徴としては、MRI等の脳画像研究や脳波等の生理学的研究、ゲノム等の分子生物学的研究といった生物学的研究と、大規模コホート研究や臨床データに基づく臨床疫学研究、当事者やご家族などへのインタビューによる質的研究といった心理社会的研究が、当科の臨床活動とも連動し、それぞれの分野を超えて教室内外の研究者と連携、融合して進めていることが挙げられます。
思春期・青年期のこころの成長については、発達疫学の視点から、東京都医学総合研究所、総合研究大学院大学と共同による大規模思春期コホート研究 (Tokyo Teen Cohort: TTC) を継続しています。10歳時点から開始し、心理社会的指標や生物学的データを蓄積しながら、これまで19歳時の調査が進んでおり、国内では貴重な縦断データ解析も順次進めています。
思春期のこころの不調および回復については、若年者の精神的不調を対象としたこころのリスク外来等を中心とした、精神疾患発症早期の多様なリスク因子とその予後検討のための、疾患横断的画像計測・心理社会的介入の統合研究を継続しています。
これらと連動して、早期介入や思春期の心理的レジリエンス向上を図る取り組みとして、中学生・高校生対象のこころの健康に関する副読本や授業教材の開発、当教室スタッフの都立学校への派遣により、研究の普及と実装を図っています。
上記の他にも内外の研究施設と共同で下記の通り脳画像やトランスレーショナル研究、現実世界における人間の当事者性に関する研究など、多くの大型プロジェクトを進めています。
最近では、研究の共同創造 (co-production of research) を重視した 22q11.2 欠失症候群を有する方とその養育者に関する心理社会的研究や連動する生物学的研究を立ち上げ、また神経病理やメタアナリシスを志す若手もおり、さらなる発展が期待されます。
当教室が主導する大型共同研究
戦略的国際脳科学
研究推進プログラム (国際脳)
日本を含めたアジア諸国と国際共同研究のコンソーシアムを構築し、AYA世代の脳成熟基盤についてMRIデータの共有・解析により、AYA世代の精神障害の発症メカニズムの解明につなげます。
革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明プロジェクト(革新脳)
患者ーヒトー非ヒト霊長類ーマウスにおける双方向性のトランスレーショナルアプローチによる精神疾患の脳予測性障害機序解明として、ヒトを対象とした MRI、脳波、皮質脳波、眼球運動、分子解析、および疾患モデル動物等の遺伝子解析、脳波解析などを行っています。
研究グループ紹介
当教室では下記をはじめとした様々な研究分野を有し、お互いにあるいは外部の研究機関と共同で幅広い研究を行っています。
生理学的研究
Spectroscopy (NIRS)などにより、精神疾患における脳活動を解析する研究。脳波については特に事象関連電位という特定の刺激に反応した脳波の成分についての解析から精神疾患との関連を解明する研究。
臨床疫学研究
入院や外来診療、もしくは精神科リエゾン診療等にて蓄積された多くの臨床データをもとに、受診された方々の内訳やその後の転帰について詳細に検討する研究。
分子生物学的研究
被検者としてご参加いただいた患者さんと対照となる健常者の方々から得られた血液等の検体を用いたゲノム・エピゲノム研究や、特定の遺伝子や脳部位の機能について動物モデルや培養細胞を用いて解明する研究。
論文・研究活動紹介
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大学院生募集
医師の方のみならず、臨床心理系、精神保健福祉系、実験心理系、情報工学系、分子生物学系などの修士号をお持ちの方で、 博士号を目指す方々も歓迎しております。
当教室の研究は、分子神経科学領域の基礎研究から画像中心の臨床研究、疫学心理社会的研究まで、幅広い領域 の研究が可能であることが特徴です。
各年度の博士課程の募集に関しましては、脳神経医学専攻のホームページをご覧ください。 例年、6月頃に説明会があります。
受験までに TOEFL を受けておく必要がありますので、ご注意ください。